オマハハイロー

オマハ ハイ/ローのルールを徹底解説!

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はじめに:オマハ ハイ/ローとは

オマハ ハイ/ロー(別名「オマハ H/L」「オマハ/8」「オマハ エイトオアベター」)は、1つのポットを「ハイハンド」と「ローハンド」で分け合う形をとるポーカー・バリエーションです。ポットが大きくなることが多いオマハの特徴に加え、ハイとローの両方で勝負できるため、さらにアクションが盛り上がるポーカーとして世界中で大きな人気を博しています。

ポットは最高のハイハンドとローハンドが分け合います。オマハ ハイ/ローと呼ばれるのはこれが理由です。ハイハンドとローハンドでそれぞれ異なる組み合わせの手札 2 枚を使用できますが、どちらのハンドも必ず自分の手札の 2 枚とボードの 3 枚を使用します。

「Omaha Eight-or-Better」と呼ばれるのは、「ローハンドを狙うには8以下のカード5枚が必要」だからです。

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オマハ ハイ/ローの基本ルール
配られるカード

オマハ ハイ/ローでは各プレイヤーに 4 枚のカード (「ホールカード」) が配られます。ホールカードは自分だけが使用できます。5 枚のコミュニティカードが表を上にして置かれます (「ボード」)。プレイヤー全員が自分の 4 枚のホールカードの内 2 枚とボードの 3 枚を組み合わせて、最高の役を競い合います。

ハンドの組み合わせ

オマハ ハイ/ローでは、ハイとロー、それぞれの役を作る際も必ず4枚のうち2枚とボード3枚を使うことがルールです。ハイハンドとローハンドで使用する2枚が異なってもOKです。ただし、各ハンドとも自分の4枚から2枚 + ボード5枚から3枚という条件は変わりません。

エイトオアベターの条件

オマハ ハイ/ローには「エイトオアベター」という条件があります。ローハンドでポットの半分を獲得するには、8 以下の 5 枚の異なるカードを揃える必要があります。オマハ ハイ/ローのローハンドの判定方法はセブンカード スタッド ハイ/ローと同じです。ローハンドの役が無い場合は、ハイハンドを揃えたプレイヤーがポット全額を獲得します。

ハイハンドの例(通常のポーカーと同じ役の強さ):
A♥
K♥
Q♥
J♥
T♥
ロイヤルフラッシュ(ハイハンドとして最強)
ローハンドの例(エイトオアベター):
A♠
2♥
3♦
4♣
5♠
A-2-3-4-5(ホイール)(ローハンドとして最強)
ローハンドの評価方法

オマハ ハイ/ローでは、「Ace to Five」制 (別名「カリフォルニア」制) に従いローハンドのランクが決められています。ストレートやフラッシュはカウントしません。A はローハンドでは常に小さく数えられます。最高のハンドは 5-4-3-2-A (「ホイール」) です。

ローハンドはハイカードのランクが高い順になっていることに注意してください。たとえば、「シックスロー」は最高ランクのカードが 6 のハンドです。「セブンロー」は最高ランクのカードが 7 のハンドです。最高ランクのカードが同じ場合は次にランクの高いカードで判断します。

ローハンドのランキング

ローハンドのランクを理解しやすいように、一番弱いハンド (1 番) から一番強いハンド (10 番、「ナッツ」) の順に下にまとめています (注: これで全部ではありません)。

順位 ハンド 名称
1(最弱) 8, 7, 6, 5, 4 エイトロー
2 8, 7, 6, 5, 3 エイトロー
3 8, 6, 4, 2, A エイトロー
4 8, 4, 3, 2, A エイトロー
5 7, 6, 5, 4, 2 セブンロー
6 7, 6, 5, 2, A セブンロー
7 7, 5, 4, 3, 2 セブンロー
8 6, 5, 4, 3, 2 シックスロー
9 6, 4, 3, 2, A シックスロー
10(最強) 5, 4, 3, 2, A ホイール
シックスフォーロー 強い
6♠
4♥
3♦
2♣
A♠
シックスファイブロー 普通
6♠
5♥
4♦
3♣
2♠

比較:シックスフォーロー vs シックスファイブロー → 最高カードが同じ6なので、次のカードを比較。4 vs 5 → 4の方が低いので、シックスフォーローの勝ち

また、ストレートやフラッシュはローハンドでは役とはみなされません。ストレートやフラッシュのローハンドは非常に強力なハンドで、ポット全額を獲得することができます。これを「スクープ (Scoop)」と言います。

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オマハ ハイ/ロー ゲームの種類

オマハ ハイ/ローは次のゲーム形式があります。

  • リミット オマハ ハイ/ロー: ゲームやベッティング ラウンドごとにベットの限度額が決まっています。
  • ポットリミット オマハ ハイ/ロー: ポットのチップ額が最大ベット額となります。
  • ノーリミット オマハ ハイ/ロー: プレイヤーは手持ちのチップ全額をベットできます。
  • ミックス オマハ ハイ/ロー: リミットとポットリミットで交互にプレイします。ポットリミットからリミットになると、ステークのレベルを一定に維持するためにブラインドが増額されます。
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オマハ ハイ/ローのゲームの流れ

オマハ ハイ/ローでは、ゲームの名目上のディーラーを示す「ボタン」または「ディーラー ボタン」を使用します。ゲームを開始する前に、ボタンのすぐ左にいるプレイヤーが最初の強制ベットである「スモールブラインド」を置きます。スモールブラインドのすぐ左にいるプレイヤーは「ビッグブラインド」を置きます。ビッグブラインドは通常スモールブラインドの 2 倍の額です。ブラインドの額はステークやベッティング ストラクチャーによって異なります。

プリフロップ
A♥
K♠
Q♦
J♣

各プレイヤーに 4 枚のホールカードが配られます。「アンダーザガン」(ビッグブラインドのすぐ左隣) のプレイヤーから順にテーブルを時計回りにベットしていきます。

ホールカードを確認したら、ビッグブラインドをコールまたはレイズします。ビッグブラインドの左隣のプレイヤーからアクションを開始します。ビッグブラインドはそのベッティング ラウンドでのベットとみなされます。プレイヤーはフォールド、コール、またはレイズすることができます。たとえば、ビッグブラインドが $2 の場合、コールは $2、レイズは $4 以上になります。時計回りにゲームを進めていきます。

フロップ
A♠
K♥
2♦

最初のベッティング ラウンドが終了すると、「フロップ」のカードが表を上にしてボードに置かれます。フロップは最初に配られる 3 枚のコミュニティカードで、プレイヤー全員が使用できます。ボタンのすぐ左にいるプレイヤーからベットを開始します。次のベッティング ラウンドが開始します。リミット オマハ ハイ/ローでは、ベットとレイズはスモールベット単位となります (たとえば $2/$4 ゲームなら $2)。

ターン
A♠
K♥
2♦
3♣

フロップのベッティング ラウンドが終了すると「ターン」のカードが表を上にしてボードに置かれます。オマハ ハイ/ローではターンは 4 枚目のコミュニティカードとなります。ボタンのすぐ左にいるプレイヤーからプレイを開始します。次のベッティング ラウンドが開始します。リミット オマハ ハイ/ローでは、ターンでのベットとレイズはビッグベット単位となります (たとえば $2/$4 ゲームなら $4)。

リバー
A♠
K♥
2♦
3♣
4♠

ターンのベッティング ラウンドが終了すると、「リバー」のカードが表を上にしてボードに置かれます。リバーは 5 枚目の最後のコミュニティカードです。ボタンのすぐ左にいるプレイヤーからベットを開始します。最後のベッティング ラウンドが開始します。

ショーダウン

最後のベッティング ラウンドが終了した時点で複数のプレイヤーが残っている場合は、最後にベットまたはレイズしたプレイヤーが手札を公開します。誰もベットしなかった場合は、ボタンのすぐ左にいるプレイヤーが手札を公開します。最高のハイハンドを持つプレイヤーと、最高のローハンドを持つプレイヤーがポットを半分ずつ獲得します。

オマハゲームでは、必ず 4 枚のホールカードの内 2 枚と、ボードの 3 枚のカードを組み合わせて役を作ります。役が同じ場合は、最高の役を持つプレイヤーの間でポットを均等に分け合います。ローハンドの条件 (エイトローオアベター) を満たす役が完成しなかった場合、最高のハイハンドを持つプレイヤーがポット全額を獲得します。

ポットの分割例
ハイハンド(ポットの半分)
A♥
K♥
Q♥
J♥
T♥

プレイヤーAのハンド:A♥ K♥ + ボード:Q♥ J♥ T♥

ロイヤルフラッシュ

ローハンド(ポットの半分)
A♠
2♥
3♦
4♣
5♠

プレイヤーBのハンド:A♠ 2♥ + ボード:3♦ 4♣ 5♠

ホイール(A-2-3-4-5)

勝者が決定すると、次のゲームが開始します。ボタンが時計回りで次のプレイヤーに移動します。

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戦略的ポイント
スーツやローカードを重視

ロー狙いなら8以下のカードが複数スーツでない4枚を持つことが有利です。ハイ狙いとロー狙いの両方をカバーできる「A,2,3,x」などが特に強力です。

スクープ狙い

「スクープ」とは、ローが完成しつつハイハンド(ストレートやフラッシュ)も作り、ポット全額を獲得することです。一度に両方を勝ち取ると大きなリターンを得られます。

ブロッカー効果

ローカードを複数抱えていると、他人がローを作る可能性を減らせます。自分もハイとローの両方を妨害されないよう、なるべく良い形のハンドを選ぶことが重要です。

ポットが大きくなりやすい

2つのハンド(ハイ/ロー)を目指すことで参加者が多くなり、アクションが激しくなります。ポットリミットやノーリミットの場合はさらに大きなポットを狙いに行くチャンスが増えます。

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ベッティングの種類と違い

オマハ ハイ/ローのルールはリミット、ノーリミット、ポットリミットで共通ですが、一部例外があります。

リミット オマハ ハイ/ロー

リミット オマハ ハイ/ローではベット額があらかじめ決められています。プリフロップおよびフロップでのベットとレイズはビッグブラインドと同額となります。ターンおよびリバーでのベットとレイズは 2 倍の額となります。リミット オマハ ハイ/ローでは、毎回のベッティング ラウンドで各プレイヤーは最大 4 回ベット ((1) ベット、(2) レイズ、(3) リレイズ、(4) キャップ (最終レイズ)) できます。

ポットリミット オマハ ハイ/ロー

ポットリミット オマハ ハイ/ローの最小ベット額はビッグブラインドと同額、最大ベット額はポットサイズと同額となります。

  • 最小レイズ額: そのベッティング ラウンドで最後に置かれたベットまたはレイズと同額になります。たとえば、最初のプレイヤーが $5 をベットした場合、次のプレイヤーがレイズするには最低 $5 を上乗せ (合計 $10 をベット) する必要があります。
  • 最大レイズ額: ポットサイズ = 現在のポット総額 + テーブル上のベット総額 + プレイヤーがレイズ前にコールしなくてはならない額となります。

例: ポット サイズが $100 で、そのベッティング ラウンドでアクションがまだない場合、プレイヤーは最大 $100 をベットできます。ベットすると、時計回りで次のプレイヤーの番になります。このプレイヤーはフォールド、$100 をコール、または最小額 ($100) から最大額の範囲内で任意の額をレイズすることができます。この場合の最大額は $400 です。レイズに際してまず $100 をコールし、その結果ポット サイズは $300 となるのでこれをレイズすると合計 $400 になります。

ポットリミット オマハ ハイ/ローでは、レイズ回数に制限はありません。

ノーリミット オマハ ハイ/ロー

ノーリミット オマハ ハイ/ローの最小ベット額はビッグブラインドと同額で、手持ちのチップ全額を上限として任意の額をベットできます。

  • 最小レイズ額: そのベッティング ラウンドで最後に置かれたベットまたはレイズと同額となります。たとえば、最初のプレイヤーが $5 をベットした場合、次のプレイヤーがレイズするには最低 $5 を上乗せ (合計 $10 をベット) する必要があります。
  • 最大レイズ額: 自分のスタック サイズ (テーブルの手持ちのチップ) になります。

ノーリミット オマハ ハイ/ローでは、レイズ回数に制限はありません。

ミックス オマハ ハイ/ロー

リミットとポットリミットを1ラウンドごとに切り替えながらプレイします。ベットスタイルが交互に変わり、変化に富んだゲーム展開が楽しめます。

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まとめ:ハイとローを同時に狙う楽しさ
  • オマハ ハイ/ローでは、ハイハンドとローハンドの両方でポットを分け合います。
  • 各プレイヤーは4枚のホールカードを受け取り、そのうち2枚とボードの3枚を使って役を作ります。
  • ローハンドは「エイトオアベター」の条件を満たす必要があります(8以下の5枚の異なるカード)。
  • ローハンドの条件を満たすプレイヤーがいない場合は、ハイハンドの勝者がポット全額を獲得します。
  • ストレートやフラッシュはローハンドでは役とはみなされません。
  • “スクープ(Scoop)”と呼ばれる、ハイとロー両方を独占できる瞬間は爽快です。

オマハ ハイ/ローは、1つのポットをハイハンドとローハンドで分け合うユニークなルールのおかげで、ポットが大きく膨らみやすく、緊張感ある駆け引きを存分に楽しめます。ハイハンドとローハンドの両方を考慮する必要があるため、戦略的な思考と計画が求められるゲームです。ぜひオマハ ハイ/ローで、ハンドの可能性を2つ同時に楽しむ醍醐味を味わってみてください!

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