フォールドエクイティを数字でつかむ！仕組み・計算式・実戦での活用法を徹底解説！

1. フォールドエクイティとは何でしょうか？

フォールドエクイティ（以下 FE）は、「ベットやレイズを行ったときに相手がフォールドする確率 × 相手がフォールドした場合に得られるポット額」で表される期待値成分です。たとえば、$100 のポットで 33％の確率で相手がフォールドするなら、FE は $33 に相当します。

数式（基本形）

FE = P_fold × Current Pot

この値はあなたのハンドのショーダウンエクイティに“上乗せ”される利益であり、特にセミブラフやショートスタックのオールインで欠かせない概念です。

実際の判断では、フォールドされなかったときの勝率（ハンドエクイティ）も同時に考慮する必要があります。トータルの期待値（EV）は以下の式で求められます。

完全EV式

EV = P_fold × Pot + (1 – P_fold) × [P_win × (Pot + Risk) – (1 – P_win) × Risk]

Pot：ベット前に形成されているポット
Risk：あなたが追加で投入する額
P_win：コールされた場合にショーダウンで勝つ確率

Upswing Poker や GTO Wizard の解説記事でもこの式が“クラシカルな FE 方程式”として紹介されています。

状況設定

フロップのポット $80、あなたは$60 をオールイン

推定値：相手がフォールドする確率 35％、コールされた場合の勝率 30％

計算過程

EV = 0.35 × 80 + (1 – 0.35) × [0.30 × (80 + 60) – 0.70 × 60]

= 28 + 0.65 × (42 – 42)

= 28 + 0.65 × 0

= +$28

ショーダウンエクイティが期待どおり低くても、フォールドエクイティだけで +EV になる好例です。オンライン計算ツール（Red Chip Poker Fold Equity Calculator）を使うと瞬時に結果を確認できます。

要素	説明
ベットサイズ	サイズを大きくするほど相手のコールコストが上がり、フォールド率が高まりやすくなります。ただし Risk も増加するため EV 式でバランスを確認しましょう。
ボードテクスチャ	A-K-Q といった危険なブロードウェイボードや同色3枚ボードは、ミドルペア以下がフォールドしやすく、FE が上昇します。
ポジション	インポジションでのバレルはレンジが強く見えやすく、フォールドを誘発しやすい傾向があります。
イメージ・メタ	タイトに見られているときはブラフベットの信用度が高まり、FE が上がります。逆にルースなイメージが付いている場合は FE が低下します。
スタック深度	浅いスタックでは「引き分け覚悟のコール」が増えるため FE が落ちます。30 BB 以上では相手がポットを温存したい心理が働き、FE が高まりやすいです。

セミブラフ

フラッシュドローや OESD でベットするとき、FE が高い局面なら実現エクイティとの合算で+EVになりやすくなります。

プッシュ／フォールド（ショートスタック）

トーナメントで 12 BB 以下のオールインは、「ポット＋ブラインド＋アンティ」がすべて FE になるため、ICM込みで大きな利益源になります。

3-ベット・4-ベットブラフ

相手のオープンレンジが広いボタンやカットオフに対し、BB や SB がブラフ3-ベットを選択するとき、リスク（追加チップ）に見合うフォールド率を確保できるかがカギです。

オールインや大きなブラフをする際、「どれだけフォールドを取れればトントンか？」を逆算しておくと便利です。式はシンプルです。

必要フォールド率の計算式

P_{fold needed} = Risk ÷ (Pot + Risk)

計算例

ポット $40 に対し $30 をベット → 必要フォールド率 = 30 ÷ 70 ≈ 42.9％

これを超えるフォールドが見込めるなら、ショーダウンエクイティがゼロでも +EV になります！

フォールドエクイティに関する誤解

誤解	実際
「フォールドさせればハンドエクイティは無関係」	EV 式では相手がフォールドしなかった場合の勝率が大きく影響します。ハンドエクイティが極端に低い場面では、必要フォールド率が上がる点に注意してください。
「大きいほど良い」	FE を得るためにリスクを過剰に上げると、成功率が少しズレただけで EV がマイナスになります。適切なベットサイズを選びましょう。
「相手はGTO通りにフォールドする」	実際のプレイヤーは GTO から外れていることが多々あります。HUD や相手の傾向から実測値を必ず反映しましょう。