「2-7トリプルドロー」は、ポーカーの中でも一風変わったルールを持つドロー系のゲームです。一般的なポーカーは強いハンドを目指しますが、それとは異なり、最弱のハンドを作ることを目指します。また、このゲームは単体で楽しまれるだけでなく、複数のポーカーバリエーションを組み合わせた「ミックスゲーム」の一部としてもしばしば採用されています。
「2-7トリプルドロー」は、5枚の手札からなるドロー系ポーカーの一種で、できるだけ弱いハンドを目指します。普通のポーカーでは強い役となるフラッシュやストレート、ペアなどは逆に不利になるのです!
2-7トリプルドローは、近年増えている「ミックスゲーム」のラインナップで重要な位置を占めています。ミックスゲームとは、テキサスホールデムやオマハなど、複数のポーカーバリエーションを一定のサイクルでローテーションしながらプレイする形式のゲームです。
ミックスゲームは、1種類のゲームに偏らず、さまざまなルールを順繰りに楽しみます。これにより、特定のスタイルや戦術に偏らず、総合的なポーカー力が試されます。2-7トリプルドローは、ローボール(弱い手が強い)という特殊な性質を持つため、プレイヤーは通常のホールデムでは使わない戦略や、ドロー系特有の読み合いを駆使する必要があります。
世界最大級のポーカー大会WSOPでも、2-7トリプルドローを含むミックスゲームイベントが開催されています。たとえば、8-Game Mixや10-Game Mixなど、複数のポーカー種目が順番に行われるイベントには、しばしば2-7トリプルドローが組み込まれています。このため、トッププロからアマチュアまで、幅広いプレイヤーが2-7トリプルドローのスキルを磨く必要性が増しています。
2-7トリプルドローを習得することで、プレイヤーは「ローハンド構築」の考え方や、複数回のドローを通じた手札改良戦略を身につけることができます。これは、他のドローポーカー(例:A-5トリプルドロー)や、ローブリット系ゲーム(例:Razz)へ応用する際にも役立ちます。
スモールブラインドとビッグブラインドを支払います。
各プレイヤーに5枚のカードが配られます。
最初のベッティングラウンドが行われます。プレイヤーはチェック、ベット、コール、レイズ、フォールドのいずれかのアクションを選択します。
プレイヤーは手札から0〜5枚のカードを捨て、新しいカードと交換できます。
2回目のベッティングラウンドの後、再度カードを交換できます。
3回目のベッティングラウンドの後、最後のカード交換の機会があります。
最後のベッティングラウンドの後、残っているプレイヤーは手札を公開し、最も弱いハンド(2-7トリプルドローのルールでは最強)を持つプレイヤーがポットを獲得します。
2-7トリプルドローでは、通常のポーカーとは逆で、「最弱の手」が「最強の役」として評価されます。ここでいう「最弱」とは、次のような条件を満たす手札を指します。
- 低い数字のカードを揃える(Aは常に高いカードとして扱われるため使用しない)
- ペア・スリーカード・ストレート・フラッシュなど、いわゆる通常のポーカーの強力な役を避ける
- 一番高いカード(トップカード)ができるだけ低いことが好ましい
2-7トリプルドローでは、「7ロー」や「8ロー」といった言い方で手を分類します。これは、「そのハンドを構成するうち、最も高いカードが7か、あるいは8なのか」といった形でランク分けできることを示しています。
「7ロー」とは、そのハンドが7を最高位のカードとする、ストレート・フラッシュ・ペアなしの組み合わせのことを指します。最強の「7ロー」は、7-5-4-3-2(全て異なるスーツでストレートやフラッシュにならない)が最高峰です。これが2-7トリプルドローの「最強ハンド(ナッツ)」であり、このハンドが相手より下回るハンドは存在しません。
2-7トリプルドローでは、以下のような順序で役の強さが決まります:
順位 | ハンドの種類 | 例 |
---|---|---|
1 | 7ローの中でも「7-5-4-3-2」が最強 | 7♠ 5♥ 4♦ 3♣ 2♠ |
2 | それに続く7ロー全般 | 7♠ 6♥ 4♦ 3♣ 2♠ |
3 | 8ロー(8が最高カード) | 8♠ 5♥ 4♦ 3♣ 2♠ |
4 | 9ロー、10ロー…と続く | 9♠ 5♥ 4♦ 3♣ 2♠ |
5 | ペア、ツーペア、スリーカードなど | 7♠ 7♥ 4♦ 3♣ 2♠ |
6 | ストレート、フラッシュ | 6♠ 5♠ 4♠ 3♠ 2♠ |
つまり、ローハンドを評価する際は、「可能な限りトップカードを低くする」 → 「次に高いカードも可能な限り低くする」という優先順位で考えます。
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2、3、4、5、7、8、9が鍵になることが多いです。特に2-7は名前の由来にもなっているように、最強ハンドの構成要素です。Aは常に高いカードとして扱われるため、捨てるべきカードとなります。
相手のドロー枚数やベットのタイミングをヒントに、どれだけ完成に近づいているかを推測しましょう。例えば、1枚だけ交換する相手は、すでに良いハンドができかけている可能性が高いです。
- 0枚交換(スタンド・パット):すでに強いハンドができている
- 1枚交換:7ローや8ローに近い状態
- 2〜3枚交換:中程度の手札、改善を狙っている
- 4〜5枚交換:ほぼ全てのカードが使えない状態
2-7トリプルドローでは、相手の読みを誤らせるためのブラフも重要な戦略です。例えば、実際には強いハンドができていなくても、スタンド・パット(交換なし)をして相手を降ろさせる戦術も有効です。
ただし、ブラフは相手のスキルレベルや状況によって効果が変わります。初心者同士の対戦では、まずは基本的な手札構築に集中することをお勧めします。
ミックスゲームの一環としてプレイする場合、ホールデムやオマハでは見られないローボール戦術を学べるため、自身のプレイヤースキルの幅が広がります。特に「役を作らない」という逆転の発想は、他のゲームでも応用できる思考の柔軟性を養います。
2-7トリプルドローは、弱い手を目指すという革新的なスタイルを持つドローポーカーです。通常のポーカーとは逆の発想が求められるため、新鮮な戦略的思考を楽しむことができます。
- 最強のハンドは「7-5-4-3-2」(異なるスーツ)
- Aは高いカードとして扱われるため、良いハンドには含まれない
- ペア、ストレート、フラッシュなどの通常ポーカーでの役は避ける
- 3回のドローチャンスがあり、戦略的な駆け引きが楽しめる
- ミックスゲームの一環として学ぶことで、ポーカースキルの幅が広がる
2-7トリプルドローは、単一ゲームとして楽しむのももちろん面白いですが、ミックスゲームでその真価を発揮します。他のルールと組み合わせることで、プレイヤーは総合的なポーカーセンスを磨き、より深いポーカーの世界を堪能できるでしょう!
ぜひ一度、この独特のルールを持つポーカーバリエーションに挑戦してみてください。新たなポーカーの楽しみ方が広がるはずです。