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SB vs BBの完全ガイド!ブラインド・ヘッズで差を付けるプリフロップ&ポストフロップ戦略

ブラインド・ヘッズ完全攻略! SB vs BBで押さえるべきプリフロップとポストフロップ戦略

6-max/9-max問わず、スモールブラインド(SB)とビッグブラインド(BB)の対決は最もレンジが広がる局面です。しかもプリフロップで投入するチップが少ないため、エクイティ差が数%でも収益に直結します。この記事では、Solver(GTO Wizard・Simple Preflop・MonkerSolver)や主要トレーニングサイトのデータを踏まえ、スタック別の最適アクションとポストフロップの原則を整理いたします!


1. ブラインド・ヘッズで押さえたい前提

状況 SB (イン・ポジション) BB (アウト・ポジション)
レンジ幅 6-max/9-maxを通じてテーブルで最も広いポジションです。30 BB以上なら約70%のハンドをオープンできます。
スタックが浅くなるほどレンジは絞られ、12 BB以下は「オープン-プッシュ or フォールド」の2択がメインになります。
GTO上のディフェンス目安は55〜60%(30 BB時)です。対戦相手のオープン方法に応じて3-ベットとコールをブレンドします。
オープン方法 ①リンプ(0.5 BB)
②ミニレイズ(2〜2.2 BB)
③オープン-プッシュ(≦20 BB付近)
①チェック/レイズ(SBリンプに対して)
②3-ベット(約5.5〜6 BB)
③プッシュ(≦20 BB付近)
ベットサイズ Solverはミニレイズでポットを膨らませすぎないラインを推奨します。リンプを採用すると幅広いレンジで「レイズ VS リンプ」の分割がしやすく、ポストフロップもプレイアブルです。 リンプに対するアイソレートは3.5〜4 BB、SBミニレイズに対しては5.5〜6 BBがGTOの近似値です。

参考:GTO Wizard・Simple Preflop/MonkerSolver のBvBシミュレーション、Upswing Poker「Small Blind vs Big Blind (12-20 BB)」


2. プリフロップ戦略の基準

2-1 SBのスタック別推奨アクション

有効スタック オープン-プッシュ ミニレイズ リンプ 備考
30 BB+ 45% 55% レンジは70%前後。リンプ→レイズ分割でポストフロップを主導します。
20-25 BB 8% 40% 52% スチール成功EVが高く、レンジも広めにキープできます。
12-20 BB 25% 30% 45% 12-15 BB帯ではAxo・Kxs・小ペアなどを混ぜて即プッシュするラインが25%前後。
≤10 BB 65%超 35%未満 10 BBを切ったら基本はJam or Fold。レイズフォールドは大きなEVロスになります。
覚え方

「20 BB台→Jam Mix、10 BB以下→Jam Most」

2-2 BBの3-ベット/プッシュレンジ(20 BB時の目安)

SBのアクション 3-ベット非オールイン 3-ベットオールイン
ミニレイズ 8%(QQ+, AJs+, KQs, AKo) 11%(55-66+, ATs+, AJo+, KJs+, KQo, QJs, JTs, T9s)
リンプ→0.5 BBレイズ 12% 15%

3. ポストフロップの原則

3-1 レンジ優位とCB頻度

  • SBはトップペア以上や強ドローで大きめにベットし、小ポットはリンプチェックを活用してコントロールします。
  • BBはレンジ劣位ゆえにチェック/コール主体ですが、低頻度でドンク25〜33%Potを混ぜるとバランスが取れます。

3-2 ボードテクスチャ

ボードタイプ 有利レンジ 推奨ライン
ローカード(8以下) BB寄り SBは25%Potの小サイズCBまたはチェックで様子見します。
ブロードウェイ重心 SB寄り SBは33〜75%Potを混ぜて圧力をかけます。
同色3枚/ストレート完成 レンジ接近 サイズを縮小し、チェック-レイズレンジを用意して均衡を保ちます。

3-3 スタック深度別CBサイズ

深度 推奨CBサイズ リンプポットのベット
30 BB+ 25% と 75%を分割 33%Pot、もしくはチェック-レイズ×2.5Pot
20-25 BB 33% と 66% 25%Pot or Jam(強ドロー)
≤15 BB “1 & Done”=Jam or チェック 50%Pot以上=実質スタック

4. 実戦で役立つチェックリスト

  1. スタックをBB換算で確認 — 20 BB未満ならJamレンジを先に思い出します。
  2. 相手の傾向を観察 — BBがフォールド過多ならミニレイズ頻度を上げ、3-ベットが多ければリンプを増やします。
  3. ポストフロップを想定 — 広いvs広いレンジなのでワンペアは想像以上に強いと意識しましょう。
  4. ICMやFTバブルを考慮 — カバーしている側はプッシュ頻度を上げ、被カバー側はややタイトに。
  5. エクスプロイトを加える — 多くのプレイヤーはBBディフェンスが足りません。SBはGTO以上にスチールEVが高い場面が多いです。

5. まとめ:BvBを収益源に変える鍵

  • SBは「リンプ+ミニレイズ+プッシュ」の三つ巴をスタックに応じてブレンドします。
  • BBは”フォールドし過ぎない”ことが第一歩です。20 BB以上なら55%以上をディフェンスし、3-ベット or プッシュでレンジを守ります。
  • ポストフロップは小サイズで頻繁に打ち、浅スタックならワンストリートで決着をつけましょう。
  • レンジが広いためドローやミドルペアはバリューハンドになります。
  • 最後に、GTOツール(GTO Wizard、HRC など)で12〜25 BBのJamレンジとBBディフェンス頻度を暗記すると、判断が格段に速く正確になります!

ブラインド・ヘッズは「細かな差」が大きなEVを生みます。ぜひ本記事を参考に、毎ハンド発生するSB vs BBでチップを積み上げてください。健闘を祈ります!