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リードベットとは?ドンクベットとの違いを解説!

リードベットとは

リードベットとは、ポストフロップ以降のラウンドで、自分が先にアクションを起こしてベットすることを指します。一般的には「アウト・オブ・ポジション(OOP)」のプレイヤーが先にベットを打つケースを指すことが多いです。ただし、よく似た言葉でドンクベットという用語もあり、この2つは混同されがち。そこで、両者の違いや使い方を整理し、戦略上のポイントを解説します。

リードベットとは何か?

リードベットの一般的な定義

リードベットは、プリフロップのアグレッサーかどうかに関係なく、次のストリート(フロップ・ターン・リバーなど)で、自分が最初にベットを打つ行為を指します。たとえば以下の状況:

リードベットの典型的なシナリオ
  • 自分はビッグブラインドでコールしてポストフロップへ
  • フロップが開いた段階で、自分はアウト・オブ・ポジション(先に行動する立場)
  • ここで相手のベットを待たずに自分からベットする

こうしたアクションを「リードベット」と呼びます。

あなた
(BB)
相手
(BTN)
A♠
7♥
2♦
リードベット
$10

リードベットの目的

  • 相手が弱そうなボードで先にベットしてポットを獲得する
  • 情報を先に得るために小さくベットし、相手の反応を探る
  • ボードが自分のレンジにマッチしている(たとえばOOPでもボードがローカード中心なら、自分に有利と考えてリードする)

ドンクベットとの違い

ドンクベットの定義

「ドンクベット」は、前のラウンドでレイズしたプレイヤー(アグレッサー)ではないのに、次のストリートで先にベットする行為を指します。

具体的には「自分がコールでついてきたのに、フロップ以降の最初のアクションで先にベットする」というシナリオが典型例です。

この用語は元々「下手なプレイヤーがやりがち」といったスラング的な意味合いも含まれていましたが、現在では戦略的に使われることも多々あります。

あなた
(BB)
相手
(BTN)
6♣
4♠
2♥
ドンクベット
$15

リードベット vs ドンクベット

リードベットは広義で「先にベットする行為」全般を指すことがあり、ドンクベットは「プリフロップのアグレッサーではない側がいきなりベットする」ケースを明示する言葉です。

つまり、ドンクベットはリードベットの一種とも考えられますが、”ドンク”というニュアンスがあるため、戦略的には「アグレッサーのCBを待たずに先に打つ」動き、とやや限定的に使われることが多いです。

リードベット ドンクベット
ポストフロップで先にベットする行為全般 プリフロップのアグレッサーではない側が先にベットする行為
プリフロップのアグレッサーかどうかは問わない プリフロップでコールした側が打つベット
戦略的な意味合いが強い 元々は「下手な動き」というニュアンスがあった

リードベットを使う主なシチュエーション

ボードが自分のレンジに有利なとき

テキサスホールデムやオマハでも、フロップがローカード中心で、自分がBBコールした場合など。相手のハンドがアグレッサーとしてあまり絡んでいないと推測できるなら、リードベットはポットを奪いに行く手段となります。

相手のチェックバックを防ぎたいとき

相手がフロップでCBをせずにチェックする可能性が高いなら、「それなら先に小さく打ってしまおう」という動機。メインポットを成長させ、後続のストリートでも主導権を握りやすくする狙いも。

ストレートやフラッシュドローがあるボード

自分が複数のドローを持っている状況で、相手のCBが小さいか打たない可能性があるなら、先にベットしてフォールドさせるか、コールされた場合もドローが生きると考えて継続する。

ドンクベットを使う場面

相手がCBを頻繁に打たないタイプ

プリフロップで相手がレイズしてきたが、フロップ以降はCBをあまりしない傾向があるなら、自分から仕掛けてポットを取るのが有効。

ボードがアグレッサー側にマッチしにくい

たとえば、アグレッサーのレンジがブロードウェイ系なのに、フロップが6,4,2レインボー。自分はBBコールで小中ペアやローカードが絡む可能性が高い。ここでドンクベットを打ち、相手がハイカード空振りなら折れる可能性を高める。

バランスを取るため

「ドンク=下手」という先入観を逆手に取り、強いハンドでドンクベットして相手を驚かせる戦略。逆にブラフ的に打つこともあり、近年は多様なプレイヤーが使っている。

リードベットとドンクベットの使い分け

プリフロップの経過

  • 自分がコールでついてきた(非アグレッサー)→そのまま次のストリートで先ベット=ドンクベット
  • 自分がアグレッサーだった or そもそも誰がアグレッサーかわからないテーブル状況→先にベットしてリードする場合=リードベット

戦略的な意味

  • リードベットは、ボードや自分のレンジに基づき「理にかなっている」ベットとして捉えられる場面が多い。
  • ドンクベットは、アグレッサーのCBを待たずに先に打つため、「下手な動き」とも言われる一方で、上級者の間では「あえて使う」場面が増えている。

バランス

どちらも、一度に多用しすぎると読みやすくなる。適度に混ぜながらレンジをバランスさせるのが大切。

注意点:リード&ドンクのリスク

相手のレイズに対応できるか

先にベットすると、相手がレイズで返してくる可能性が高い。強い手やプランを持っていないと、逆にポットを取られやすい。

ボードテクスチャへの理解

フロップのカード構成が、誰にとって有利なのかを正しく読めないと、無駄なリード・ドンクベットを打って損失を拡大する。

自分がアグレッサーの際にはチェックかCBが基本

プリフロップでレイズをした側がフロップで先にベットするのは自然だが、逆に相手がドンクベットしてきたときの対処法も考えておく必要がある。

まとめ

リードベットは、ポストフロップ以降で自分から先にベットする行為全般を指し、ドンクベットは特に「非アグレッサーが先に仕掛けるベット」を意味することが多いです。

リードベットは、ボードが自分のレンジに合うときや相手のチェックを期待できるときなど、先制攻撃でポットを取りに行く戦術。

ドンクベットは、プリフロップでコール止まりだった側がフロップやターンで先にベットし、相手を驚かせる動き。

一般に「ドンク=下手」とされた時期もありましたが、近年はあえて使うプロも多く、読み合いを複雑にする手法の一つとして注目されています。

重要なのは、それぞれの場面で自分のレンジ、相手のレンジ、ボードテクスチャをしっかり考え、先に打つことでどんなメリット・デメリットがあるかを理解すること。うまく使えばポットを奪い、相手のアクションをコントロールする大きな武器となるでしょう。