Razz(ラズ)

ミックスゲーム・Razz(ラズ)のルール解説!

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はじめに

Razz(ラズ)は、ローポーカーと呼ばれる一群の中でも特に有名なバリエーションで、A-5ローボール形式のゲームです。テキサスホールデムやスタッドと違い、最弱の組み合わせ(ローハンド)が最強となる独特のルールが最大の特徴です。HORSEというミックスゲームのラインナップに含まれることが多く、ポーカーの多様性を象徴する種目としても人気があります。

この記事では、Razzの基本的なルールから、ミックスゲームでの存在意義に至るまで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
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Razzの基本ルール
1. ゲームの形式:スタッド系

Razzは「7カードスタッド」をベースにしており、プレイヤーは最終的に7枚のカードを得ます。そのうち5枚を使ってハンドを作ります(ショーダウンでは自動的に”最高カード”を排除してローハンドの形を取るイメージ)。

目的:最弱の5枚ハンドを作ること

ハイハンドが強い通常のスタッドとは逆転の評価となる点に要注意です。

通常のポーカーでは強いハンド(Razzでは弱い):
A♥
K♥
Q♥
J♥
T♥
ロイヤルフラッシュ(通常のポーカーでは最強、Razzでは最弱クラス)
Razzで強いハンド(通常のポーカーでは弱い):
A♠
2♥
3♦
4♣
5♠
A-2-3-4-5(ホイール)(Razzでは最強ハンド)
2. カードの配布の流れ
3rd Street
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5♦

各プレイヤーに2枚のダウンカード(伏せられたカード)と1枚のアップカード(表向きカード)の計3枚が配られます。

最もランクの高いアップカード(例:Kが一番高い、Aが一番低い扱い)を持っているプレイヤーが「ブリングイン」として最初にベットをします。

4th Street
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5♦
3♣

各プレイヤーに順にアップカードが1枚ずつ追加されます。その都度、ボード上に見えているカードに基づいてベットラウンドが行われます。

5th Street
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5♦
3♣
2♥

さらにアップカードが1枚追加され、ベットラウンドが行われます。

6th Street
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5♦
3♣
2♥
4♠

さらにアップカードが1枚追加され、ベットラウンドが行われます。

7th Street(River)
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5♦
3♣
2♥
4♠
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最後に各プレイヤーに1枚のダウンカードが配られます。これで合計7枚(ダウンカード4枚、アップカード3枚)となり、最終ベットラウンドとなります。

3. ベット構造・リミット制

Razzは一般的にリミットゲームとしてプレイされることが多く、各ストリートでのベット額が固定されています。ミックスゲームで登場するRazzも通常リミット形式です。

🏆
役の評価:最弱が最強
1. A-5ローボールの順位

Razzでは、Aは常に低いカードとして扱います。

具体的には「A-2-3-4-5」が最強(ホイール)ハンドです。

2. 代表的な役の強さ

上から順に強くなっていきます。

順位 ハンド 備考
1(最強) A-2-3-4-5 ホイール(最強ハンド)
2 A-2-3-4-6
3 A-2-3-5-6
4 A-2-4-5-6
5 A-3-4-5-6
6 2-3-4-5-6
7 A-2-3-4-7
8 9-7-6-5-A
9 9-7-6-5-3
10 K-Q-J-T-7
11 K-Q-J-T-9
12 A-A-T-9-8 ペアは弱い
13(最弱) 3-3-3-5-5 複数のペアは非常に弱い
3. ランクの比較方法

ローハンド同士を比較するときは、まず一番高いカード同士を比べ、より低いほうが勝ちです。

たとえば、A-3-4-5-8 vs A-2-3-5-7 → 8と7の比較で、後者(7)が勝つ。

ハンド1 弱い
A♠
3♥
4♦
5♣
8♠
ハンド2 強い
A♠
2♥
3♦
5♣
7♠

比較:最高カードが8 vs 7 → 7の方が低いので、ハンド2の勝ち

🎲
実際のプレイ例
配られたカード

3rd Streetで、あなたのアップカードが5♦、ダウンカードにA♣ 2♠を持っているとします。これは非常にローボードに近い強いスタートです。

他のプレイヤーを見ると、アップカードでKなど高いカードを持っている人がいれば、そちらはやや不利になりやすいです。

あなたの手札(3rd Street)
A♣
2♠
5♦
対戦相手の手札(3rd Street)
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K♠
4th Street以降

次のアップカードで相手が7や8を引き、あなたは3を引いたとします。

お互いの見えているカードを考慮しつつ、「相手より自分のほうが低いカードを揃えているか?」を判断してベットサイズを調整します。

あなたの手札(4th Street)
A♣
2♠
5♦
3♥
対戦相手の手札(4th Street)
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K♠
7♦

5th Street、6th Streetでも、低いカードを引き続けていれば積極的にベットしていく流れです。

ショーダウン

最終的に7th Streetまで発展し、相手と自分の7枚が決定したら、その中から最弱の5枚を作って比較します。

ストレートやペアが混ざらないローボールが理想的です。

💡
Razzの戦略的なポイント
相手のアップカードを観察する

Razzはスタッド系ゲームなので、一部のカードが表向きで配られます。相手のアップカードが10以上の高カードばかりなら、こちらが低カードを持っていれば攻め時です。逆に相手も低カードをどんどん引いているようなら、厳しい戦いになります。

“ブリングイン”の逆転

通常の7カードスタッドでは、高いアップカードがブリングインを強制されますが、Razzでは逆転し、最も高いアップカードを持つプレイヤーがブリングインを支払う形です。(Aはローカード扱いだからこそ、この部分が通常スタッドと大きく異なる)

ハンド読みに熟練が必要

Razzでは、「相手のボードに出ているカードはローカードが多い → まだ強いローハンドを作りやすいかも」「相手がペアになっているかもしれない」など、多面的な読み合いが求められます。慣れるまでは自分のカードだけでなく相手ボードの状況をしっかり把握しましょう。

ミックスゲームでの大きな武器

8-Gameや10-Gameなどのミックスイベントでは、Razzが1ラウンドとして組み込まれています。ローボール特有の感覚を掴めれば、他のプレイヤーと差をつけられる大きなポイントになります。

Razzは通常のポーカーとは逆の発想が必要なため、最初は混乱するかもしれませんが、慣れると新しい戦略的思考が楽しめるゲームです。

📝
まとめ:Razzで最弱ハンドを作る逆転の楽しさ
  • 最弱ハンドが最強という逆転発想のため、通常のポーカーとは異なる戦略や読みが求められる。
  • スタッド形式(7カードスタッドがベース)であり、アップカードとダウンカードを活用しながらベットラウンドを進める。
  • Aは常にローカードとして扱われ、ストレートやフラッシュはむしろ負け要素。A-2-3-4-5が至高のハンド。
  • アップカードの観察やブリングインの動きが通常スタッドとは逆転していて、慣れるまでやや混乱しがち。

Razzは、ローポーカーを代表する種目の一つとして、ミックスゲームでも欠かせない存在です。最弱ハンドを作るというユニークな感覚を味わえるので、ぜひ一度プレイしてみてください!

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