はじめに
スクイーズ(Squeeze)とは、複数のプレイヤーが既にレイズやコールをしている状態を“挟み撃ち”にする形で大きくリレイズする戦略のことです。
誰かがオープンレイズをして、さらに別の誰かがコールした状況を想像してください。そのタイミングで、後ろのポジションにいるあなたが大きめの3ベット(リレイズ)を仕掛けるのが、いわゆるスクイーズプレイです。
「なぜスクイーズが有効なの?」と思う方も多いかもしれません。実はこの戦略、複数人のやり取りを逆手に取ってチップを一気に稼ぐポテンシャルがあるんです。今回は、そんなスクイーズプレイの狙いと使い方、注意点などを丁寧に解説します!
スクイーズの基本的な狙いと仕組み
- 相手を降ろしやすい状況を作る
たとえばプリフロップで、- プレイヤーAがオープンレイズ
- プレイヤーBがコール
してきたとします。
ここであなたが大きめのリレイズをすると、Aは「Bがコールしている=自分以外にもそれなりに強いハンドの可能性がある」ため、慎重になりやすい。Bにとっては、Aとあなたの両方と戦わなければならず、さらにプレッシャーが倍増します。
- 中途半端なハンドでのコールを阻止できる
すでにコールしたBは「そこまで強くないハンドでコールしている」場合も多いです。Bが特別強い手を持っていないなら、あなたの大きなリレイズに耐えきれずフォールドする可能性が高まります。 - ポジションが良い場合、さらに有利
スクイーズを仕掛けるのは、基本的には自分が後ろのポジション(レイトポジション)にいるときが多いです。ポジションが良ければ、たとえコールされたとしてもフロップ以降のアクションで主導権を握りやすくなります。
スクイーズが有効になるシチュエーション例
- オープンレイザーがルース、コーラーもタイトではない
ルース(参加率が高い)プレイヤーのオープンレイズに対して、コーラーがそれほど強くないハンドでコールしている場合、スクイーズは効果的。双方とも“そこそこ”のハンドで入っているだけなら、あなたの大きめリレイズにフォールドしてしまう可能性が高いです。 - アーリーポジションからのレイズ+コール
本来、アーリーポジションでのレイズは強いハンドを持っていることが多いですが、コーラーがミドル~レイトポジションの場合、自信のないハンドでコールしているケースも多いです。ここを狙ったスクイーズは、成功すれば大きなポットを獲得しやすくなります。 - トーナメント中盤~終盤で、ブラインドが高くなっている場面
ブラインドが上がるにつれ、オープンレイズやコールにかかるコストも増えます。スクイーズが成功すると得られるポットの大きさが増すため、トーナメント終盤ほどスクイーズの見返りが大きいのです。
スクイーズ時のベットサイズの考え方
スクイーズを仕掛ける場合、通常の3ベット額よりもやや大きめに設定することが多いです。なぜなら、すでにオープンレイズとコールが入ってポットが大きくなっているうえに、2人以上を降ろす必要があるからです。
- オープンレイズ額×3倍をベースに、コーラーが1人なら追加で1BB、2人ならさらにプラス1BB…と上乗せしていくイメージ。
- 相手のスタックサイズや状況によっては、さらに大きくしてもOKですが、あまり大きくしすぎるとコールされるかオールインされるリスクが高まる点に注意しましょう。
スクイーズで注意すべき点
- 自分のハンドがまったく弱いと危険
スクイーズは必ずしもプレミアハンド(AA、KKなど)でしかできないわけではありません。しかし、コールされたときの対応が難しくなるため、ある程度の強さやポテンシャルがあるハンドで仕掛ける方が安全です。 - レイザーやコーラーが実は超強いハンドを持っている可能性
オープンレイザーがAAやKKを持っている場合、あなたのスクイーズに対して4ベット(再リレイズ)を返してくるでしょう。コーラーも実は強いハンドを持っている可能性があります。仕掛ける前に、「もし4ベットされたらどうするか」をある程度想定しておきましょう。 - タイミングを選ぶ
テーブルが超アグレッシブだったり、参加者が多い状況では、スクイーズを多用していると逆手にとられやすくなります。- 相手のプレイスタイルやベットサイズ
- 自分のイメージ(テーブルでどう見られているか)
などを総合的に判断して仕掛けると成功率が上がります。
- ポジションも大事
スクイーズを仕掛けるのは、たいてい後ろのポジションにいるときですが、もしあなたがSBやBBでスクイーズする場合は、フロップ以降のポジションが不利になることを想定しておきましょう。成功すればよいものの、コールされたら先にアクションしなければならない点が難しくなります。
スクイーズを成功させるコツ
- 狙い撃ちする相手を見極める
スクイーズは「オープンレイザー+コーラー」の組み合わせが絶好のチャンスですが、特に「ルースなオープンレイザー」+「コールを多用するプレイヤー」がベストです。両者とも「極端に強い手」を持っている確率がそこまで高くないからです。 - 自分のテーブルイメージを活用
あなたがこれまでタイトにプレイしていて、全くスチールやリレイズをしていなかったのなら、スクイーズは相手に「何か強い手を持っているのかも」と思わせやすいです。逆に、普段からアグレッシブすぎると「またスクイーズか……」とコールされやすくなります。 - ハンドレンジを考える
スクイーズするハンドレンジをあまりにも広げすぎると、コールされたときに戦いづらくなります。ポケットペアや、A-Q、A-Jなど、少なくとも戦えるハンドを中心に攻めるのが無理がないでしょう。
まとめ
スクイーズは、ポーカーのプリフロップ戦略の中でもハイリスク・ハイリターンな側面を持ちます。しかし、適切な場面で仕掛ければ「複数人のチップを一度にいただく」大きなチャンスに変えることができるのが魅力です。
- 複数人のレイズ・コールが入ったところへ、大きめの3ベットをかぶせる
- 多くの場合、相手はフォールドせざるを得なくなる
- しっかりハンドレンジを考慮し、4ベットの対応策も用意しておく
これらを意識しながらスクイーズを使い分けてみてください。慣れてきたら、それほど強くないハンドでもうまく仕掛けることができるかもしれません。ぜひ実戦でトライしながら、スクイーズプレイの感覚をつかんでみましょう!